2012年末、新規ファーム開拓・視察のためマレーシア・シンガポールを訪れました。

近年の過背金龍はSHINE流に言わせてもらえば 「作り物」 になってしまった感が否めず、現地種親など自分の目で全て確認するため渡航しました。

「仕入れ」 の為の現地入りではなく、まずはセレクトできるかどうか品質確認を優先。

良ければ買うという単純な発想でしたが、結局この時は仕入れを行いませんでした。その理由は下記でご覧下さい。

ショップレベルですと経費の問題もあって、このような 「買うか買わないかわかならい渡航」 は中々行われないのが現状だと思います。

僕自身がマニアだから、自分の目で確認しないと納得できないし、ビビッと来るヤツしか買う気にならないんですよね・・・


成田空港からシンガポールのチャンギ国際空港へ向けて出発です。チャンギまでは約7時間

この画像は僕が乗るのと関係ない飛行機ですが空港の雰囲気だけでもと。

今回の渡航では輸出許可を持つ大手ファームも数件視察しましたが、これらのファームは結果的に

特徴ある個体・惹かれる個体が全くいませんでした。。。

改良品種の大量生産で時代のニーズに合わせて商売をされているんだな、と思っただけで収穫なし!

初日はこれら大手ファームを周りましたが、翌日からはローカル向け(現地のマニア向け)に

アロワナを繁殖させているスモールファームをメインに巡ってみることにしました。

現在、過背金龍の故郷であるマレーシア・シンガポールのアロワナファームはホワイトタンクが主流です。

「主流」 と言うより 「白水槽しかない」 と言えるような状態・・・

ホワイト水槽ですと保護色の影響から地肌の色が飛んで光沢がメッキのように強調されてきます。

またメタハラに近い白い蛍光灯を水面付近から24時間アロワナに直射することで、日焼けにも似た

効果から背中の光沢を促進・強調させる色揚げ・化粧が行われています。

画像でも見て伝わると思いますが、白一面といった部屋・・・目がチカチカしてくるんですよ。

親の口から出されて間もない卵(左)

卵の上には 「ちりめんじゃこ」 のような
アロワナが乗っかってます。
カワイイです!

ヨークサックが吸収されつつある稚魚(右)

もう自力で泳ぎますが疲れると底でジー
鰓だけパカパカ動かしながら一生懸命に
生きてます。

こんなアロワナを見ていると品質とかより
「生き物」の目線でアロワナを見れます。
良い悪いではなく、頑張ってるな〜とか。
心温まるひと時です。

上の採れたてのベビーは周りの色など
関係ないので青だったりクリアだったり
水槽の色はバラバラですが、少ししっかり
して地肌の色が出てきたな、と思われる
サイズになると、瞬く間にホワイト水槽へ
移されていきます。

この頃からお化粧の支度は始まっており、ここから 「見栄え良く見える」 アロワナへと仕上げられていきます。

左が移されて間もない稚魚
右がその後、数日間と思われる稚魚

既に保護色が効いて色が白くなっていて
品種が明確に伝わりにくい状態に・・・
(もちろん私は各ポイントでわかります)

↑のままホワイト水槽で15cmサイズまで育成されますと、ご覧の通りギンギンになってきます。

これはお化粧と表現すべきでしょう。

正常発色(特別な飼育水槽やライトを使わない環境)でしたら、まずこの色にはなりません。

光沢においても本来は光らない部分が、白ベースとなって透き通ってくることで光ったように見えたり
実際にライトの焼付け効果でラメ状の光沢が地肌に現れたりします。

しかし、このような人工的な光沢UPは一時的なもので、通常の飼育をすればすぐに本来の色が出てきます。

この個体、5列目は光っていますが、本来は5列目より先に発色していないといけない背鰭基底鱗や
鱗框部分の金色が完全に未発色です。全体的な色も発色ではなく 「発光」 しているような感じです。

SHINEではこの個体 “高背金龍” です。現地では過背金龍 CROSS BACK と呼ばれていますが・・・
「その過背金龍は背鰭基底鱗まで光ってますか?」 この個体は将来、背中まで巻かないと思います。

この画像を見て、「背中まで巻いている」 と思った方は間違いです。

この個体達は背中が巻いているのではなく 「光っているだけ」 で、発色ではありません。
頭部もキラキラしていますが発色というレベルではなく、皮膚の上が少し光っている程度の乗り具合です。

アジアアロワナはグリーンでもバンジャールでも、鱗に模様や枠が存在します。
この個体達の背中のリングは、ホワイト水槽を用いて背中の部分に強い光を当てることで保護色+焼付けで
枠を光沢で浮かび上がらせている状態と言えます。

黒水槽など過背金龍向きの保護色が効かない環境(ライトも通常レベルのもの)に移しますと、
数日〜数週間で本来の色素が戻ってきて、背中のリングは地肌の色と同化するでしょう。

この個体達、綺麗ではありますが2〜3才で濃い金色に発色する “過背金龍か?” と問われると・・・
明らかに違いますので仕入れることはありませんでした。

こちらは茶紫やベリーと呼ばれる改良品種です。

現地では過背金龍のベリーだと言っていましたが、どう見ても過背金龍の色を感じません。
目も黄色で、バンジャールMIXとしか思えない色でした。

鱗底の部分(肌)に茶〜黒色の色素を持つ突然変異で、この部分だけは保護色にならず残っています。

しかし他の部分はクリーム色になり保護色が効いていまして、一見すると背中までグリグリに全巻き
しているような感じを受けるかもしれませんが、実はこの個体達、鱗框は一切発色していないんです。

どんなアロワナでも持っているリング部分を保護色で浮かび上がらせた状態がとてもわかりやすいと思い
掲載しました。

上記のストックルームを見た後、そんな感想をもちながら種親の泳ぐ池を見に行きました。

そこで見たものは・・・ 「やっぱり」

この個体、数多く泳ぐ親魚の中で一番だと思う個体なんです。

金色の濃さはかなり良い線ですが、地肌の色を鱗底に残す感じなどが、どうも 「紅尾」 を感じさせます。
そして背中の巻きも・・・なんとも中途半端と言いますか。
鰭の色などもオレンジ〜黄色っぽい感じで、数種の血を感じました。

この個体は池で現役ということもあり繁殖可能年齢という事から最低でも4〜5歳は越えているはずです。

ここから背中の全巻きが望めないことは、皆様おわかりの通りだと思います。

このような親魚から採れたベビーが↑のストック方法でお化粧されて背中までギンギンに。

誤魔化しがいかに効いているか、よくわかって頂けるのではないでしょうか。

先程のファームに別れを告げ・・・

スモールファームへ移動します。

輸出するのではなくローカルマーケットの
国内マニア向けに過背金龍を繁殖させる
ファームです。

スモールファームは拘りの強いオーナー
が多いため、期待を胸に訪れました。

白水槽に泳ぐ過背金龍

かなり良質、金の濃さと発色濃度も良い。
この個体を黒水槽に入れると凄く濃厚な
24K発色が望めるはずです。

背中や頭部も完全な発色になっている。

胸鰭も黄色を感じない黒っぽい色で、
目も赤茶色。

ホワイト水槽に入っているのが惜しい・・・

これは本物の過背金龍と言える極上個体でした。ブラック水槽にて泳ぐ全巻き過背金龍

↑の過背金龍も、この水槽に移せば同様の発色変化を見せるはずです。

このファームの個体はクオリティーが均一で、特に30cm以上のミドルサイズが多く泳いでいまして
どれも濃厚な濃い色素を持った極上個体でした。

しかし輸入したかったNo.1ベビーが他国売約等で、今回の渡航での買い付けは行いませんでした。

同ファームの個体でも、ランクを下げて入れるのはSHINEのポリシーに背きます。

次回、このような個体が産出された際にと思っています。

今回の渡航記ではホワイト水槽の事を 「これでもか」 と書きました。
私自身ホワイト水槽否定派という訳ではなく、個体を綺麗に飼うというのであれば大賛成なのですが・・・

ここで心無い業者は罠を仕掛けています。
上で沢山の 「本当の過背金龍ではないのに過背金龍のように見える個体」 を掲載してきました。
それらの個体を堂々と 「過背金龍」 と銘打って販売されている現状がとても悲しく辛いのです!!

今回の記事で、いかに現地がお化粧に懸命に取り組んでいるか、わかって頂けると思います。

このような個体を 「売りやすいから」 と過背金龍として販売され、数年後に悲しむお客様を増やしたくない。

今回の渡航では私が納得する魚は仕入れることができませんでした。
しかし今後もSHINEは正直に私の目に適う個体だけを選ぶため努力を続けていきたいと思います。

本物主義の厳選セレクト 〜SHINE〜 それは貴方だけの輝ける龍魚     安孫子 貴英

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